恋愛小説書いてみた~六本木伝説の男~第2話 ケータイの中身
「男の携帯は見るな、見てもあなたに都合の良いことは何も書いてない」
そんなことは常識だと思ってた。
出会って3年目くらいの頃、彼は急に大事な仕事が入ったからと言って、私を自分の部屋に残して仕事へ行った。
まだ彼が六本木の売れっ子サパーニストだった頃の話だ。
サパーニストなんて言葉は存在しないのだが、私にはこの言葉がしっくりくる。
六本木にはサパークラブたるものが昔から存在しているのだが、彼はその仕事に誇りを持ち、誰よりそれを愛していた。
だから、例え素人からでも「ホスト」と混同されると、すごく困惑するの。
彼はそのサパークラブのオーナー兼社長およびお笑い担当兼売れっ子サパ男くんだった。
そんな彼だったが、たまには彼の愛する従業員達に店をまかせて、仕事に行かない日もあった。
だけどその日は急に大事なお客さんが来たとのことで、2時間だけ仕事へ行ってくると言って家を出ていった。
彼の部屋でひとりテレビをみながらのんびりしてると、ソファの隅でケータイがブルブル鳴ってた。
あ、、忘れてったんだ笑
水商売にケータイは必需品なのに?笑
一応、届いたメールはチェックしてた。
急用ならすぐに店に届けるべきだと思ったから。
そしたら、、
見てはいけないと思いながらも見てしまった。
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全部みた笑
メールから
自分の1年分の日記片手に日付と時間を整理して見比べな
そしたらそこには、私の想像とは真逆の世界が映ってた。
私と会ってた日。
仕事の日、平日休日問わず、この人はこんなにたくさんの人たちの予定をやりくりして、会う時間を捻出してくれてたんだ。。
私が想像してた真実とは本当に真逆だっ
彼は、私に対して耳障りの良いような言葉を言うことはほとんどなかったから。
私との予定は、仕事とかその他諸々の予定の中で一番最後だからっていつも言ってたから。
私がどうしてもその日にどうしても会いたいと我儘を言ったことがあった。
彼は、
「自分の都合を相手におしつけてはいけない」
と言いながら、
「たまたま予定がキャンセルになったから」
と言って会いに来てくれた。
その日のメールもあった。
とても大事なお客さんとの予定を自らキャンセルしてた。
「この埋め合わせは近々必ずさせて下さい。」
とな。。
その後日、彼がそのお客さんになんか高いブランド物のアクセサリーか何かを買わされてたのを見たけど、その話とこれとが結びつくのかどうかはわからない。。
彼はよく「理想の昭和の男」について語ってた。
「有言実行よりも不言実行が良い」
みたいなかんじの、古いタイプの面白い人だった笑
ただ、当時20歳やそこらの私には、何一つ理解できていなかった。
私たちの時間の重みの差を理解し、感謝することもできなかった。
ただ、上辺で軽々しく良い言葉を言ってこない男ほど実は信用できるんだ
それ以来、他人のケータイを見たことはないから統計的にはわからないが、ケータイの中身って、意外と自分が想像してるものとは真逆の真実が隠れてるのでは、と思ったりもする。
ただ一つだけ言えることは、「女性にとって生活しやすい男」とは、たとえスマホの中身に小さな裏切りの真実が隠されていようとも、表面的には嬉しい言葉をかけてくれて安心させてくれる男だ。
第3話 小学生レベルの嫉妬 に続きますw
今日も読んで頂き、ありがとうございました!!
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