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恋愛小説書いてみた~六本木伝説の男~第6話 本当の幸せ

恋愛小説書いてみた~六本木伝説の男~第6話 本当の幸せ

 

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私の人生で一番幸せだと感じた瞬間をやけに鮮明に覚えている。

 

私は夜一人で恵比寿ガーデンプレイスを小走りに歩いてた。

むしろ小躍りしてた笑

ただそれだけだった。

クリスマスも近いあの頃のあの街は本当にキラキラしてて建物も空気も全部オレンジ色に光ってた。

 

その日もおそらくガーデンプレイスはカップルがあふれてて、ロブションの周りなんかにゃタイタニックの一等客室にいそうなお金持ちの方達が余るほどいただろう。

 

なのに、私は何故か幸せを感じすぎて、周りに

「(比べるもんじゃあないけど)断トツ私が一番幸せだー!ごめんねー笑」

 

そう言いながら駆け抜けた笑

凱旋パレードの主役の気分で笑

 

恋愛ってもんは、妄想、まさにファンタジー笑

そんな気持ちにさせてくれた彼には感謝の気持ちしかない。

 

 

 


土日のラーメンと平日に接待で行く超高級中華。

 

どっちが幸せかなんて、あの時の私はあんまりわかってなかった。

 

休日にどれだけ長い時間一緒にいられても、彼が平日お客さん達と行った高級中華の領収書の金額みて、なんとなく嫌な気がしてた。


「高級レストランでの2時間とか、話題の展示会場やディナーショーなど、コンテンツが良いイベントへは、興味のない相手とでもそれなりに楽しめる。
でもこうやって部屋でただずーっと長い時間のんびり一緒にいるだけの相手なんて、そうそうできるもんじゃないから貴重な存在なんだ。」

 

私がまだ若い頃、彼はなんかそんなような説明をしていた。

 

若すぎた私はその意味が全くわからなかった。

 

その意味を実感し始めたのはそれから数年後、

キャバ嬢から銀座のホステスに移行したあたりからだった。


部屋で誰かと一緒に普通にDVDを観れる幸せ。

 

私も、銀座のお客様と平日高級なレストランでのお食事とか話題のスポットへのお出かけとかだったらそれなりに楽しめた。

 

でも、休日のなんでもないラーメン屋さんとか、ただ公園のベンチで座ってお喋りとかの時間を楽しめる相手はなかなかいない。

 

だから、そんな相手がいるってのは相当レアで、簡単にみつかるものでもなく貴重で有難い存在なんだなってことがその頃やっとわかったのだった笑

 

 

「本当の幸せ」って、何でもない日常に潜んでるんだななんて、ありきたりな言葉で締めさせて頂きます笑

 

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